堕落する魂、還る事の出来ぬ心

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本当は笑っていたくなんてないよ。泣きたいよ。怒りたいよ。喚きたいよ。でもね、あたしは笑うことしか許されてないから。笑ってみんなを幸せにするしかないから。本当は笑っていたくなくても、笑ってるしかないの。

さっきからもう何度目だろう。
こいつは神に赦しでも請うように『ごめんなさい』ばかり言い続けている。
何がこいつを苦しめているのか、私には分からない。
だが、そんなに謝らないで欲しい。
まるで、私が悪いことをしたような気分になる。
もう謝るな、言って優しく頭を撫でてやる。
それでもこいつは、まだ、赦しを請う。
次第に嗚咽が交じり始める。
仕方なしに抱き上げ、幼子をあやすように抱き締め、背中をさすってやる。
しばらくそうしているうちに穏やかな寝息が聞こえてきた。
私は表情を緩め、そのまま、眠りに就く。

どうして、こいつが、謝らなくてはならないのか、そんなこと、分からない。
きっと、こいつ自身、分かっていない。
だけど、度々幼児還りしてしまうこいつを、あやす自分を、好きになった、それだけは分かっている。

壊して、組み立てて、また壊して、また組み立てて、出来たのは虚しい独りきりの世界。
優しい風は吹かない、温かい日差しは射さない、冷たい月と、凍るような海だけ。
狭くて、暗くて、寒い、私の世界は、背の高い、脆い壁に囲まれて、でも外からでは壊せない。
優しくて、明るくて、温かい、みんなの世界は、真実ではない言葉の向こうに広がってる。
今まで並べ立ててきた嘘を越える強さも、本当をさらけ出す勇気も、寂しいと泣くことさえも。
遠く聞こえる声に、憧れ、揺るぐ心を、疎む空言の海は、波を荒立たせ、溺れさせてしまう。
上手く行かないのは、昔から、独りきりなのは、昔から、嘘吐きなのは、昔から、虚しいのは。
自分を守る壁は、音を立てずに、崩れるように、願って、この手で塗り固め続けた。
光が射すいつかを、思い描きながら、水が溢れ出すいつかを、思い描きながら、此処から出る日を、思い描きながら。

幸せになりたくてみんなを幸せにしてきた。
だけどそれは結局他人を幸せにするだけであたしは幸せになれなかった。
手を伸ばして救いを求めては届く手前で引っ込めた。
怖かった、救われるのが、怖かった。
あたしには幸せになれない理由がある。
あたしは幸せになっちゃいけない。
これは業なんだ。
前世で何をしたかなんて知らないけど幸せになれない理由があるんだ。
幸せなんてどこにもない、幸せなんていらない、幸せになりたくない。
この罪を償うまでは。

中途半端に騙したりしないで、完璧に騙して。
嘘は最後まで突き通して。
それが貴方の優しさなら、最後まで貫いて。
何もかも嘘にして。
私に気付かれないように、ゆっくり確実に消えて。
私は何も怖くないから。
安心して私を騙し続けて、目の前から居なくなって。

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